環境問題全般

 
■ 『環境学』    (市川定夫 1993 藤原書店)

 細胞内の遺伝子破壊から地球規模の環境破壊に到る、化学
と科学技術、自然などさまざまな分野が抱える問題を鋭く抉る。

   『新・環境学』(T〜V)(市川定夫 2008 藤原書店)

 『環境学』の新訂版で、サブタイトルに「現代の科学技術批判」
とある。Tは生命・生物関係、Uは地球規模の環境破壊と第一
次産業、Vは人工化合物と原子力。
     
 


 『循環型社会を問う』
              (エントロピー学会 2001 藤原書店)

 サブタイトルに「生命・技術・経済」とあるように、多様な視点か
ら環境問題を捉え、そこから「循環型社会」とは何かを問う。そし
てそれが単に自然科学や技術の問題ではないことを提示する。
 

 『循環型社会を創る』
               (エントロピー学会 20
03 藤原書店)

 サブタイトルに「技術・経済・政策の展望」とあるように、『循環
型社会を問う』を発展させたもの。今後創造されるべき循環型社
会のモデルを考える上で示唆的である。

 
 
 


 『自然保護思想を問い直す』
              (鬼頭秀一 ちくま新書 1996)

 環境倫理学者として著名な著者が、環境倫理思想の歴史を
たどりながら、自然と人間の二者択一主義を見直し、白神山地
を例として共生の意味や方法を探る。
   

 
   

 『環境学事始め』
        (川村晃生編 1999 慶応義塾大学出版会)

 環境問題を学問上の各分野から論じ、その解決法を探る。物
理学の藤田佑幸、経済学の細田衛士ら10名の多彩な執筆陣。巻尾に客執筆者が薦めるブックリストがある。
 

 『日本文学から「自然」を読む』
                   (川村晃生 勉誠出版 2004)

 日本の文学作品の中に表れる天象、季節、動物、植物などを
素材にとり上げ、そこに日本人と自然の共生の歴史を読みとる。
月と星、四季、燕と雀、松、萩、柳、松などが文学の中に入って
くる理由が分る。
 
 
 
 
 


原子力
   


 『東京に原発を!』 (広瀬隆 1986 集英社)

 原発の抱える利権、事故の可能性を分かり易く説き、その危
険性の大きさを訴える衝撃の書。原発がもし安全なら、東京に
つくったらいいじゃないかという問いかけに、誰が答えを出せる
だろうか。
 
 『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の
  基礎知識』   (広瀬隆、藤田佑幸 2000 東京書籍)

 
 原発のエネルギー供給から始まり、核燃サイクルと放射性廃棄物、地震、事故、被爆労働など、原発について私たちが知りたいと思うことについてほとんどこれ一冊で答えてくれる、非常にありがたい本。
     

 『原子力と日本病』(村田光平 2002 朝日新聞社)

 元駐スイス大使という外交官の経歴を持つ著者が、原発の危険性を指摘し、責任感や正義感などが欠如した日本病の克服を訴える。そして倫理を回復した上での新しい文明間を提唱する。
 

 『原子力と人間ー闇を生む光』
                   (小林公吉 2005 菁柿堂)

 高校教師であった著者が、原子力の技術的な問題を高校生に語るように分かり易く説きながら、その歴史や原子力の負の側面と、チルノブイリをはじめとするこれまでの原子力事故やこれからの事故の可能性について語る。

 
 
 




河川・ダム・水 
   
 『水と緑と土』   (富山和子 中公新書 1974)

 自然や環境が、水と森と土壌という一つの輪や循環からできていることを分かり易く説明した書。日本古来の自然観を規定に据え、近代社会における水の収奪うを批判する。環境本のバイブル的存在。
 


 『沈黙の春』
      (レイチェル・カーソン 青木梁一訳 新潮文1974)
 
 農薬や化学薬品によって鳥が絶滅に向かっていく社会や環境を、科学的データに基づきながら描いた警告の書。自然保護思想の確立も大きな影響を与え、有吉佐和子『複合汚染』(新潮社1975)が書かれるきっかけともなった。

 
     
     
 『酸性雨』      (石 弘之 岩波新書 1992)

 森林の枯れ死や湖沼の魚たちの死滅、建造物の溶解など、酸性雨による多くの被害の実態を世界的な視点から捉え、それえの対処の方法を探る。工業文明の負の部分が惨状として伝わってくる。
 
   『21世紀の河川思想』
               (天野礼子編 共同通信社 1997)

 21世紀における人間と川との付き合い方を、ダム、治水、水利用、川との共生といった視点からその方法を探り、またヨーロッパやアメリカの新しい河川に対する考え方を紹介する。筑紫哲也との対談も付載。
     


 『日本の水はよみがえるか』
             (宇井純 NKHライブラリー 1996)

 近代日本の工業化社会は、水を犠牲に成り立ってきた。水俣病に象徴されるように、生命の根源としての水を弱者の立場から捉え、市民の環境科学を提唱する。
 
   

 
   





農業・森林 




 『森のめぐみ』  (宇江敏勝 岩波新書 1994)

 長い間和歌山県の熊野山中で林業と執筆活動を続けてきた著者が、森が人や自然にもたらす豊かな恵みを実感をもって説く書。現代人が忘れ去ろうとしている先人の知恵を掘り起こす。 
   









 『ブナ帯と日本人』
           (市川建夫 講談社現代新書 1987)

 東日本特有の森林であるブナ林が与えてくれる食と住の素材と、それにかかわってきた縄文時代以来の日本人の生活史を説く。ここには自然と人の共生のヒントがある。
     


 『水と緑と土』  河川・ダム・水の項目を参照 
   

 『酸性雨』  河川・ダム・水の項目を参照 
 




経済・開発



 『公共事業をどうするか』
         (五十嵐敬喜 小川明雄 岩波新書1997)
 
 ダムや道路など、自然破壊の元凶であり、また開発の拠り所でもある公共事業がなぜとまらないか、問題点と解決の方法を探る。公共事業本としては必読の一書。

   
 


   

生き方・暮らし・景観 





 『アイヌの昔話』(萱野茂 平凡社ライブラリー1993)

 動植物や鉱物など、自然界のすべてに神の存在を考えるアイヌの思想が、昔話によって語られる。それは、自然とともに生きるすべを、文字を持たないアイヌ民族が子孫たちに伝えていく唯一の方法であった。
 
   






 『自然を守るとはどういうことか』
                     (寺山弘 農文協 1988)
 
 ただの原生自然ではなく、雑木林や焼畑という古来日本人のくらしの中にあった人為的な営為を再考し、そうした自然の重要性をや人間と自然との関係性を説き明かす。
     


■ 『時間』      (本川達雄 NHKライブラリー 1996)

 時間は生物によってその意識や感覚が異なるという自説を展開する著者が、エネルギーの利用度と時間の関わりを説く。スピード社会に警鐘を鳴らす一書。併せて同じ著者の『ゾウの時間ネズミの時間』(中公新書 1992)もオススメ。

 
 

■ 『山に棲む―民俗誌序章』
                 (香月洋一郎 未来社 1995)

 四国山脈の一角、高知県の仁尾ヶ内という伝統的村落にたび
たび調査に入り、そこの民俗を採集する中で、人間と自然の巧
みな共生関係を明らかにしていく。

     
■ 『清貧の思想』     (中野孝次 草思社 1992)

 西行や兼好ら、かつて清貧に生きた日本人の先人たちの系譜を辿りながら、清貧という精神の豊かさを考察し、物欲や消費欲を拡大させていく現代社会に警鐘を鳴らす。

 
 

■ 『壊れゆく景観―消えてゆく日本の名所』
     (川村晃生・浅貝和彦 慶應義塾大学出版会 2006)

 日本の文学の中に登場する各地の美しい景観が近代化の中
で破壊され、いまどのようになっているかを、二十二ヵ所を踏査
して報告。近代化のひずみを景観の中に如実に読みとることが
できるが、そこには高度経済成長期以降の日本人の生き方が
反映されている。
   

■ 『日本の海―失われゆく海辺の自然―』
                (加藤真 岩波新書 1999)

 日本の海岸がコンクリート化され、自然海岸が激減しているが、その海岸線を全国各地にわたり調査し、そこでの豊かな生態系がいかに失われてしまったかを報告する。それは近代の日本の縮図であり、政治や私たちの生き方を根本的に考え直させる。
 
   
「みどり・山梨」は環境・平和・人権・非核・住民自治等を活動目標として掲げています。
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